真夏になると思い出す・・・・・

真夏になると思い出す・・・・・

真夏になると、正しく言えばお盆だけれど、思い出すものがあります。

アニメ化もされて有名になった十二国記の著者小野不由美さんの著作にくらのかみ (ミステリーランド)と言う本があります。蔵の中で子供たちが四人ゲームをしていると、いつの間にか一人増えて五人になっているという話です。

四人ゲームというのは、蔵の部屋の四隅それぞれに人が立ち、一人が隣の角に立つ友人の肩を叩き、肩を叩かれた人は反対側の角に行き、そこに立つ友人の肩を叩く・・・と順番に部屋をぐるぐると回っていくゲームです。

最初、四隅に四人が立ち、そのうちの一人は必ず移動しているので、四隅の一つはいつも空いているはずなのに・・・・

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一人増えた子供は座敷わらしか、それとも蔵に住む神様なのか、子供の謎と蔵がある屋敷で起きる事件を、五人の子供たちで解決していくという、ホラーもミステリーも楽しめる作品です。

窓

それで、わたしが真夏になると思い出すものとは、「蔵」です。

両親や祖父母が「本家筋」と呼ぶ、ものすごく大きな屋敷に住む親せきがあり、お盆になると必ずお墓にお参りに行きました。

石垣の上にそびえる屋敷は千坪近くあり、前庭には池、裏庭には小川が流れ、庭から見える山野のほとんどを所有しているという、三百年以上続く旧家です。

わたしは勝手に大伯父、大伯母と呼んでいましたが、祖父のいとこにあたる大伯父と大伯母がとても親切で、お墓参りに行くたびに、小川で冷やしたスイカや瓜を食べさせてくれました。それが楽しみで、お盆の墓参りについて行ったと言っても過言ではありません。

そのお屋敷には、旧家にはつきものの「蔵」が二棟あり、一棟は門をはいってすぐのところ、もう一棟は奥の母屋近くに建てられていました。

壁

二棟の蔵のうち、母屋近くの蔵は、壁の漆喰が塗り直されて、夏の日差しでいつも壁が白く光っていたことを思い出します。明らかに、とても大事にされている蔵だとわかりました。

しかし、門近くの蔵は、壁にひびが入ったり、一部壁の漆喰がはがれていたりと、全く修理されていません。

ふつうは、まず人目につく門近くの蔵を修理すると考えますが、不思議なことに、手前の蔵は、いつからかわかりませんが放っておかれたままでした。

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お盆の集まりというのは、久しぶりに会った大人たちはいろいろと話すこともあるでしょうが、子供にとっては退屈で、一人でよく庭に出て、大人たちの話しが終わるのをまちました。

その時、門近くの蔵の扉に、お札が数枚貼り付けられていたのを目撃したんです。

古くて色あせたお札の上から、少し新しいお札が何枚も重なるように張り付けられている、その扉の錠前はすっかり錆び付き、もう何年も開けられた形跡がありませんでした。

蔵について、色々と尋ねてみればよかったのでしょうが、残念なことに、大伯父も大伯母はすでに故人で、世代が交代し、お盆のお墓参りにも行かなくなってしまいました。

今になって考えると、あの蔵に一体何を閉じ込めていたのか・・・・この時期、本棚の「くらのかみ」を見るたびに、気になるのです。